モンテッソーリの教育方針とは、「自己教育力」と呼ばれる、子どもが本来持っている「自身を育てる力」を伸ばしていくものです。日本では棋士の藤井聡太さんが受けたことで知っている人もいるかもしれません。
モンテッソーリの教育方針は、0歳から6歳までの乳幼児期を、前期・後期の2段階に分け、それぞれにふさわしい環境を整えていき、自発的な成長を促すのが特徴です。
			
				
				
					モンテッソーリ教育の考え方
					モンテッソーリ教育は、ローマ大学で初めて女性の医学博士となったマリア・モンテッソーリが1907年1月に開設した保育施設「子どもの家」で実践され、確立された教育法です。
日本では1960年代の後半から、多くの保育園や幼稚園で採用されるようになりました。そのため、「モンテッソーリ教育=乳幼児期の教育」というイメージが強いかもしれません。
モンテッソーリ教育では、0歳から24歳までを6年ごとに分けて考えています。
					
						- 変容期(0歳から6歳)
- 一定安定期(6歳から12歳)
- 変容期(12歳から18歳)
- 安定期(18歳から24歳)
アメリカやヨーロッパでは、幼稚園から大学まで長い期間をかけてモンテッソーリ教育を実践する施設があるほどです。
				 
				
					モンテッソーリ教育「乳幼児期・前期」(0歳から3歳)
					モンテッソーリ教育では、0歳から3歳までの乳幼児期の前期を、「無意識レベルでの吸収力に優れた時期」として設定し、次の7つの環境を整えることから始めています。
					
						- 粗大運動の活動
- 微細運動の活動
- 日常生活の練習
- 言語教育
- 感覚教育
- 音楽
- 美術
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							粗大運動の活動 ハイハイから立ち上がって歩けるようになるまでをサポートしていきます。 
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							微細運動の活動 手や指を使って握ったり、叩いたり、持っているものを落とすなどの動きを通して、体の使い方を習得します。
							 
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							日常生活の練習 ひとりで着替えや植物への水やり、料理や洗濯のお手伝いをすることで、社会の一員としての意識を芽生えさせます。 
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							言語教育 耳で聞いて言葉(母国語)を覚える時期です。少しずつ話し言葉のボキャブラリーを増やしていき、言葉を書いて表現することに結びつけます。 
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							感覚教育 「感覚教具」と呼ばれる教具に触れされることで、子どもの美的感覚や危機感覚を促し、知性の覚醒や育成につなげます。 
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							音楽 子どもが音楽を聴いて体を動かしたり、楽器で音を出したりすることを通じて、音楽の楽しさを表現できるような環境を準備します。 
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							美術 鉛筆やクレヨンを使って絵を描き、粘土で"何か"を作ることで、子どもは自分の感じていることを表現しつつ、目や手の動かし方を学んでいきます。 
 
				
					モンテッソーリ教育「乳幼児期・後期」(3歳から6歳)
					モンテッソーリ教育では、3歳から6歳までの期間を、「意識の芽生え」の時期として位置づけています。0歳から3歳までの前期で、無意識レベルで吸収した動きや感覚を、自身で意識して整理し、より上手にこなせるような工夫を始める時期です。
モンテッソーリ教育の「乳幼児期・後期」には、次の5つのプログラムに取り組むことになります。
					
						- 日常生活の練習
- 感覚教育
- 言語教育
- 算数教育
- 文化教育
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							日常生活の練習 子どもが、大人のしていることをまねしたいと感じる「模倣期」が「運動の敏感期」とシンクロすることを生かして、自分でできることは自分でやれるように導きます。最初に正しいやり方をきちんと伝えるのがコツです。
 日常生活の練習には、ハサミで紙などを切る、服のボタンをとめる、部屋の掃き掃除や洗濯などがあげられます。
 
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							感覚教育 子どもは、3歳頃に感覚器官の発達を完了する「感覚の敏感期」を迎えます。音や匂いや味などの違いがわかるようになるタイミングです。感覚教具を用いて、意識的に感覚器官を使用することで情緒や知性が育まれます。 
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							言語教育 耳で聞いて覚えた言葉(母国語)のボキャブラリーを段階的に増やし、興味を持った子どもには文字を書いてもらい、文法の習得へと導きます。 
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							算数教育 乳幼児期の後期は「数の敏感期」でもあります。数字を表現した算数教具を楽しみながら使っているうちに、いつの間にか暗算ができるようになることも珍しくありません。 
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							文化教育 小学校の社会や理科に該当する、地理や歴史、動物や植物などのジャンルに取り組んでもらうのが文化教育です。子どもの知的探究心に応えつつ、興味の幅を自由に広げてもらう意図で行われます。 
 
				
					モンテッソーリ教育を受けることで得られる3つのメリット
					モンテッソーリ教育を子どもが受けることで、次のメリットが得られる可能性があります。
					
					
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							自主性と積極性 モンテッソーリ教育では、正しい器具の使い方などはレクチャーしますが、基本的には子どものすることを「見守る」スタンスです。そのため、子どもは必然的に自分で考えて行動するようになります。 
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							高い集中力 教具などに子どもが夢中になっている時には、できるだけ援助者が邪魔をしないというのもモンテッソーリ教育の特色です。その結果として、高い集中力が身につくこともあります。 
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							情緒の安定 子どもは、好きなことを好きなようにできるため、自然と落ち着きを持った性質になりやすい傾向があります。 
 
				
					モンテッソーリ教育が受けられる日本の幼稚園や保育園
					モンテッソーリ教育が受けられる日本の幼稚園や保育園は、次のリンク先から知ることができます。
					
					トップ画面から
					
						- ⇒モンテッソーリ教育について
- ⇒モンテッソーリ教育実施園リスト
の順番でタップします。モンテッソーリ教育に興味のある方は、確認してみてください。