保育園を開業したいと考えているのであれば、待機児童が多い地域を選択することが重要です。なぜなら、保育園に対するニーズが多いからです。
では、待機児童が多い地域を探すには、どうすればいいのでしょうか?
まず、参考にしたいのは厚生労働省のホームページです。厚生労働省では、毎年待機児童数に関する調査を行っており、全国の市町村の待機児童マップを公開しています。インターネットを使って検索を掛ければ、簡単にヒットしますので、開業エリアを選定するための手段として活用したほうがいいでしょう。
また、各自治体が調査・発表している年齢別の人口統計情報を参考にしてもいいでしょう。乳幼児の数を調べることで、どの町にどれくらい潜在的な保育ニーズがあるかを確認することができます。
次に、公式に発表されている待機児童数ではなく、各サイトで調査している潜在的な待機児童数を調べてみるのもいいかもしれません。厚生労働省による待機児童の定義から漏れているため、待機児童を認識されていない児童が多い地域があるためです。サイトの信頼性にもよりますが、補足情報としては十分参考にすることができると思います。
最後に、認可保育園として認定を受けたいと考えている場合は、各自治体の認定制度を比較して開業場所を選定するというのも、一つの方法といえます。既存の保育園がある以上、認定を受けていることが他の園との差別化につながったり、有利に働いたりするとは限りません。しかし、助成金などの利用により保育園を安定して経営していけるメリットは大きいので、調べてみる価値はあります。
厚生労働省が発表している平成30年の全国待機児童マップによると、待機児童数が一番多いのは東京都となっています。他にも埼玉県や千葉県、兵庫県、沖縄県など待機児童数が多い地域はありますが、それらの地域より圧倒的に多いのが東京都です。
それでは、東京都のなかでも特に待機児童が多い地域はどこなのでしょうか?
上位20の区・市を見てきましょう(東京都福祉保健局)
特に世田谷区や江戸川区、目黒区などは300人を超える待機児童を抱えている地域となります。
東京都で新たに保育園を開業するのであれば、上記の地域に開業すれば園児を集めやすいのではないでしょうか?
保育園を開業する場合には、どのような立地条件を選ぶのかというのが一つのポイントとなります。立地条件にはメリットとデメリットがありますので、よく比較して判断しなければなりません。わかりやすい例を挙げながら考えてみましょう。
まずは駅に近い立地を選択する場合です。いわゆる駅近と呼ばれる場所は、通勤途中に保護者が子どもを預けやすいので園児が集まりやすいということに加えて、保育士が通勤しやすいので、採用活動がしやすく保育士も集めやすいというメリットがあります。
しかし、駅から近い場所は土地や建物の賃料が高く、保育園に適した広い土地を確保するのが難しくなるなどのデメリットがあります。
では、駅近以外の地域ではどうでしょうか?
駅から離れている場合は、近くに広い公園や安全な散歩コース、病院や図書館といった施設がある場合は、保育に適した場所として考えることができます。また駅から離れていても、郊外の住宅地であれば需要はあります。
なお、どのような場所であっても、保護者にとって送り迎えがしやすい環境を整えるようにしましょう。
保護者が送り迎えに使う自転車や車の駐輪・駐車スペースを確保し、子どもとその保護者の安全性を確保することが大切です。
保育園を開業する地域や立地条件によって、保育園運営は影響を受けますので、事前の情報収集と比較検討を十分に行うことが大切です。